【北島一周】海と星のキャンプ場【13日目】
最北端の地に、朝が来た。
山に隠れて朝日は見えない。ゆっくり周りが明るくなってくることだけがはっきり分かる。
しばらく車にいたのだけれど、近くの家族がうるさかったので移動することにした。
近く……といっても20m以上離れていそうなんですけどね、でも、もうガンガンに音楽を鳴らしているから。
低音がすごく気持ちいいのでいいスピーカーなのは間違いないんだけど、ちょっと朝からヒップホップの気分にはどうもなれないです……
今日はぴっかり晴れたいいお天気。
充電しなくちゃ、洗濯もしなくちゃ!
海はどこだろう。歩けるはずだから後で歩こう。
……と思ってはいるのに、なんだか動く気にならない。
そりゃそうだ、生理2日目だもの。お腹が痛い。
身体が気持ちに追いつくまでは車でのんびりすることにして、でも洗濯だけは終わらせた。
風が強いからすぐ乾きそう。
外を見れば、椅子を出して日光浴をしている人たち。
向こうのビーチには、遊びに来た人や釣り人もちらほら。
だけど私は車の後ろでお湯を沸かしつつ、引きこもってお絵かき!
最高〜インドア最高〜!
自分の車の周りからほとんど動かず、あっという間にお昼が過ぎた。
海のことが気になってしょうがなくなり、やっと車を出る。
海がすぐ近くにあるはずなんだけど、海の香りも気配も全くないんだよなあ。
そう思いながら道なき道を進むと(ちょっと迷った)、川が出てきた。
そしてそれを辿ると、
いきなり海!
うわあ、綺麗。
白い砂浜じゃん。またNZの沖縄を見つけてしまった……
透明でありながらも深い青色。
こんなに広い砂浜にいるのは私と、遠くの方で寝転がってるおっちゃんだけ。
おっちゃんかな、と思ったけど、遠過ぎてよくわかってない。女の人かもしれない。
真っ白な砂も、場所によってはこんなに色とりどりのきれい。
綺麗だ。本当にきれいだ。
明日の朝はここに来てちゃんとストレッチしよう。
今日の夕方もここに来て夕陽を眺めよう。
車に戻って、車の掃除をした。
もしかして、もしかしちゃったらパスポート落ちてたりしちゃわないかな〜という淡い期待と共に……
もちろん車がぴかぴかになっただけでした。布団も干して、料理をして、また車に引きこもって。
それから昨日ダウンロードした映画の中から「プロメア」を観た。
ストーリーやキャラクターには惹かれなかったけど、アニメーションには感動しまくりだった。
色彩とカメラワークと、物の表し方が凄かった……熱血やメカが好きな人は大好きなんだろうなあ、こういうの。
そして、夕方。
は〜綺麗。
本当に綺麗。
波と風の音しかしない。
最果ての地の、ぽっかりしたこの感じが大好きだ。
全てが広くて、どこまでも続いていて、明るい。
本当に明るい綺麗な場所だった。
夕飯は昼間作っておいたホットケーキを再調理してピザ風にしてみた。
ケチャップを持っていなかったから、チーズをたくさんのせたという意味でのピザ風。
それからまた車に引きこもって、眠くなったら寝る。
アウトドアなのにインドア、そういう生活が大好きなんです……
寝る前にトイレに行こう、と車を出た。
そしてふと空を見上げて、身体が止まってしまった。
あまりの星の美しさに。
えーっいいんですか、最果ての地、こんなに最高でいいんですか!!??
という気持ちでいっぱいになって、嬉しくてしょうがない。
なけなしの知識で星空を撮ってみたの、結構いい感じでしょう。
この瞬間だけでもいいから写真の専門家の友だちと変わりたい……
っていうか元気かな……連絡してついでに星空写真の撮り方聞こうかな……あっ電波ないんだった………
と、頭に中をぐるぐるしながらも、もう、本当に星空が綺麗で綺麗で。
ニュージーランドはどこに行っても星空が綺麗。(今のところオークランド以外)
今までも何度もこういう星空を見てきた。
だけど、この静けさと波の音、一人ぼっちのこの気持ち。
そししてこの場所のぽっかりとした空気と相まって、今までで一番の星空のように思えた。
最高だ、最果ての場所。