【北島一周】ケープレインガ、最果ての場所【12日目】
6時半に起きた。
一晩34ドルという信じられない値段にまだモヤモヤしている。
こうなったら電力だけでも頂かないと気が済まない。
朝から充電祭りだ〜!
ちなみに一応無料でWi-Fiがあったんだけど、速度が信じられないくらい遅い。
車の中までは届かないからコインランドリーの洗濯機(4ドル、高すぎ)の裏で一晩ダウンロードしていた映画たち。
さすがに一晩あれば大丈夫だった。よかった〜〜
充電しながら料理もした。
もやもやは全部切って炒めてしまおう。
そしてさっさとこのキャンプ場からおさらばしよう!
近くに歩ける湖もあったんだけど、僅かに残ったモヤモヤが私の邪魔をする。
キャンプ場の隣にあった90マイルビーチにだけ行ってみた。
この砂浜は、ここから最果ての地までずーっと続いているそうだ。
90マイルビーチはここら辺では有名なちょっとした観光スポット。
ちゃんとした装備で時間をかけて歩く人もいれば、四駆で爆走することもできる。ずうっと先には灯台もあるそうだ。
そしてね、実はこの砂浜、地図的には普通の道路なんです……!
だから100kmで走ってもいいの。バイクでもいいの。
大型バスで爆走するツアーもあるらしいけれど、もちろん自分の車で走ることも可能。危険だから四駆で走ってね、とは書いてあるけど、一応普通車でも走れるらしい。
(だけど砂浜に埋まっている車の写真がのっている看板があったりして、それを見るとドキドキしてしまう……)
私はビーチ爆走にあまり興味がないので眺めて写真を撮っただけ。
5分くらいしかいなかったけど、その間にも何台か車が砂浜を走っていました。
ストレッチをする気分にもならず、とにかく図書館へ!
ニュージーランドで一番北にあるカイタイア図書館。
そこそこ大きな町ということだけあって、図書館も大きい。
博物館やコミュニティセンター、カフェも一緒にあった。
ここから先には何もないから、出来るだけ用事を済ませたい!
メール、音楽やラジオのダウンロード、納品などを済まる。
旅日記も書いたのに間違って消してしまった……
お昼過ぎまで図書館に滞在して、いよいよ最北端へ!
ちょうど妹から電話がかかってきたので久しぶりにお喋りしながら。
1歳半の姪っ子が最近覚えた言葉は「レッツゴー」なんだって。
しかも妹が「レッツ」というと「ゴー」って手を挙げながら返すんだとか。想像だけでめちゃくちゃ可愛い……
妹はeatの過去形も知らないくらいの英語力なんだけど、発音は私の数倍上手い。
電話越しに最近覚えた英語の歌を披露してくれた。上手い……
むしろ私が何か英語で喋ると、何その日本語英語!! と爆笑される。
通じるんだからいいんだよ〜!と言い返しそうになったけど、
いや通じないことばっかりだな……と思い返した。は〜〜……
電波が途絶えたので電話もおしまい。
ここから約1時間半、100kmのドライブが始まります!
お供はラジオ、オールナイトニッポン。
こういう時間で英語の曲とかラジオとか聞けばいいって分かっているんだけど、ね………………
途中ちょっと気になる湖があったりしたけど、それよりも早く最果ての場所に行きたい。
その気持ちだけで車を飛ばして、たどり着いた。
ニュージーランドの一番北!!
ぽっかり広い、果てしない場所。
ほとんど人もいなくて、空も海もどこまでも続いていて、風が強い。
何もない。
まさに最果ての場所だ、と嬉しくてしょうがない。
何もないにしてはありすぎる場所。
空と海と風と山、道と灯台とひと。
ここにずっといたい。
ゆっくり流れる雲とか、笑っているひとを眺めていたい。
本当に気持ちがよかった。
ここに来てよかった。
ロックダウンがまたはじまって、いよいよ誰もいなくなったノースランド(オークランドを通らないと来れないので孤立状態)。
今が一番美しい時なのかもしれない。
夕日まであと2時間ほどあるから、一旦車に戻ってお絵かき。
駐車場には電波があったから、久しぶりにインスタのストーリーも上げてみた。
ニュージーランドの一番端っこに来たよ〜、って。
いつもより少し日本に近い場所に今いるよ〜って。
とにかく静かでゆっくりしていて、本当に幸せだ。
ここに来てよかった。
何度もそう思った。
ふと気づくと、カレンからメールが届いていた。
大丈夫? どこにいるの? 心配しているよ、いつでも帰っておいで〜って。
ロックダウンがまた再開したから、とっても心配してくれていた。
懐かしくてしょうがない。カレンたちと過ごした4ヶ月間。
もう二ヶ月たったのかあ。
ここからカレンたちの家までは何百キロもあって、10時間以上かかる。
近かったら戻っちゃってたかもなあ。
だけど今はいろいろなものを見て周るのが楽しいんだ。
そんなこと言っていられない状況になりつつはあるんだけど。
いつでも戻っておいでって言ってくれる人がいるだけで嬉しい。
そんなこんなで夕方。
ちょうど雲がかかっていて、沈む瞬間は見れなかったけどとっても綺麗だった。
本当に美しいところだった。
朝日も見たいから、明日の朝また来ようかなあ。
ということで、明日の朝も灯台に来れるように一番近くのキャンプ場に行った。
のだけれど、なんだかあんまり居心地が良くない。
何がとは言いづらいんだけど、なんとな〜く気持ちよくなかった。
ということで、迷った末に、一時間ほど離れた別のキャンプ場に行くことにした。
そこは本当に奥地で、山を越えないといけないような所。
興味はあったんだけど諦めていた場所だった。
すでに日は沈んで真っ暗。暗闇の中、つるつる滑る砂利道を三十分ほど進む。
怖い。めちゃくちゃ怖い。
この道路は100Km制限道路ではあるけど、あまりに滑るので30Kmしか出せない。
怖い〜〜! と叫びつつ、星野ブロードウェイ(好きなラジオのコーナー)で爆笑しつつ、なんとか進む。
道をうさぎが走り抜けたりポッサムを見かけたりするたびになごみつつ。
そんななか、急に暗闇の中がキラリと光った。
えっ何!?
慌てて止まる。
馬!!?
これは野生の馬……?
馬だ……はあ怖い……
当たり前のようにそこにいないで欲しい。
サファリパークの中を車で進んでいるやつじゃないんだから。
でも可愛いな。
そんなこんなでなんとか到着。
キャンプ場にはなんの明かりもなく、真っ暗でよくわからない。でも小さなあかりがいくつか見えるから、人は思ったよりもいる見たいだ。
こんな奥地にわざわざ来るなんて……多分すごいいいところなんだろうなあ。
とりあえず朝炒めておいた野菜をカレーにして食べて、寝る。
今日はいい一日だった。
本当に、この最果ての場所にこれてよかった。
そういう気持ちを抱えながら。