【北島一周】ムリワイ最高【3日目】
真夜中3時に目が覚めてしまって、しばらく寝付けなかった。
まぶたが開けられないくらい眠いのに意識だけがはっきりしているから、ただじっとまぶたの裏の揺らぎを見ていた。
波のような揺らぎだった。
静かなキャンプサイトだと思っていたけど、その時はじめて低い波の音が聞こえていたことに気がついた。
そうだった、ここは海の隣のキャンプサイトなんだった。波の音とまぶたの裏のゆらぎが同調していたら面白いな、と思ったけどそういうわけではなさそうだった。
8時ごろ、今日も勝手に目が覚めた。
もう少し眠るか迷ったけど、合計して9時間ほどは寝たからもう起きることにする。
今日は昨日よりも雲が多いけど、それでも最高の天気。
太陽が濡れた地面や木に光ってぴかぴかしている。
水タンクから水筒に水を移していたら、隣のおっちゃんに声をかけられた。
相変わらず英語が出てこない。毎日喋って感覚取り戻さないとなあ。
だけどやっぱり、前よりもだいぶ相手が何言ってるか分かってきている。
答えるのが下手で呆れてしまうことは相変わらずだけど、前よりリスニングはついてるってことかな……
おっちゃんは奥さんと二週間のノースランド巡りの一日目だそうだ。
わたしも自分のことくらいはすらすらと話せるようになりたいな〜!
今日は近くの滝からスタート。
キテキテフォールという、行かずにはいられない滝へ!
キャンプ場から約5分で入り口について、そこからまずはブッシュウォークと少しの山登り(階段)。
入った瞬間から森のいい香り。
冬の朝の張り詰めた空気から日が満ちてやわらかい空気に変わる間の美しい時間。最高。
川沿いをしばらく歩き、時々階段を登ったりしながら歩いて、歩いて、歩いて……
そして40分ほどでついに大きな滝!
綺麗だった、とても。わたしはやっぱり暗めの滝が好きだ。
暗い中で、滝が光っているようで。昨日の滝もよかったけど、こっちもいい。
プールも深くて青色、夏だったら泳ぎたかった。
一周回って1時間強。思っていたより階段が多くて、朝から汗だくになってしまった。
昨日の反省を生かし、とりあえず今日はあんまり詰め込みすぎないことにする。
朝の散歩のあとは、もうメインのウォーキングだけに留めておこう。
ちょっと気になるところは山ほどあるけど、まっすぐ次の目的地に行くことにした。
次の村、ムリワイまでは車で約1時間。
ムリワイには今日泊まる予定のキャンプ場、そしてめちゃくちゃ良さそうなハイキングコースがある。
そこまで1時間、よそ見しないで運転頑張るぞ〜〜
そう思ったのも束の間、早速車を降りてしまいました。
気になる標識があったもので、つい……
歩いて一分ほどで、目の前に超でかいカウリの木!!
本当にでかい!
触れないのはちょっと残念だけど、朝日がキラキラしていてとても綺麗だったなあ。
そしてついついまた車を降りて、今度はダム。
下り道なので行きは楽々、あっという間にダム!
昨日のダムを見たときにも思ったけど、もしかして私は散策としてのダムが好きなのかもしれない。
でっかくて、水がいっぱい満ちているところがとってもいい。
とりあえずでかい。
きれい。
こういう、水と植物が一緒にいるところ大好き。
道を渡り終わった時、端の方になんか小さい小道を見つけた。
こういう隠れ道大好き。
ここまで全部アスファルトを歩いていたけど、ここは地面の上を歩けた。
この小道はダムの途中を散策できるみたいだ。見所いっぱいだなー、このダム。
そうしてループを終えたところではじめてその小道が立ち入り禁止だったことに気がついた。
うわ〜やっちゃった、申し訳ない。
抜かりなく全部封じられてると思ってたけど、時々看板立て忘れもあるんだな……
帰りは上り道で結構しんどかった。行って戻って約1時間強。また汗かいた!
今度こそ目的地のMURIWAIへ。
ちょっと車を走らせたら景色が一気に変わってきた。
なんだか懐かしい。
そういえばこう言う牧場地帯を運転するのは一ヶ月ぶりなんだということに気がつく。
そして今日一番のお楽しみ、ハイキングコース Te Hunga WalkWay!
このコースは海沿いを歩くことができるコース。
私がよく歩くブッシュウォークとは違って、森ではなく丘を歩くハイキングコースだからカウリの木もない、だから閉鎖もしていない!
(もう一つ気になっていたGoldy Bush Trackというブッシュウォークはやっぱり一部閉鎖していた)
車を止めて、歩き出す。
歩き始めて数分で、いい景色が見えた。
うわ〜綺麗、これ絶対最高のハイキングコース!
そして、歩き始めて三十分でもう満足してしまった。
これ、こんな景色に歩いて三十分で辿り着けるなんて最高じゃない……?
最高。
ここも最高。
歩いていて、全部最高!!
どこまでも歩けそう。ちなみに全部歩くと60kmにもなるらしい。それは無理だ……
止めどきが分からなかったから、適当にポイントを作って引き返すことにする。帰りはあっという間だった。
結局行って帰って約3時間。汗いっぱいかいた〜!
今回の持ち物。
太陽さんさんの丘歩きということで、ソーラーパネル背負って歩いてました。
常にスマホを充電しながら歩くことができます。
今日もまだ何も食べていなかったのでオレンジも二つ。
途中、割と若めの団体さんとすれ違っただけで、あとは誰もいませんでした。
その団体さんのうちの一人が話しかけてくれた。「私の名前はジョンです」って、日本語で!!
すごくフレンドリーな人だった。学生? 何ヶ月いるの? 仕事は? どこで絵を描いているの?
などと短い間にいっぱい質問されて(これは英語)、あたふたしながらも全部答えられてとても嬉しかった。
列の一番最後だった彼はすぐに向こうのほうから呼び掛けられて、もう行かなくちゃ! と言って去っていった。
楽しんで、気をつけてね! という言葉(これは英語)と一緒に。
一瞬、しかもとても簡単な会話だけど、英語で誰かと会話ができるって本当に嬉しいな。
ムリワイはカツオドリという海鳥のコロニーで有名らしい。
ということでコロニーがある場所に早速やってきました。
っていうかめっちゃいい景色!
カツオドリがなんなのか、カツオドリの大群なんて見て何が楽しいのかは全くわかんないけど、海が綺麗!
景色が綺麗!!
!!!!!
絶対これがカツオドリだ!!
飛んでいるのを遠くから見ていた時は、ちょっとでっかいカモメだな〜とだけ思っていたのに、近くで見たらなんか黄色い。
そして綺麗。あとめっっっっちゃいる。
これは確かにすごいぞ……
観光客も他の場所と比べて多かった。とはいえ全く混雑していないし、ゆっくり景色を見れる。
国境封鎖も四ヶ月目、しかも冬の平日なのにちらほら人がいるってことは、普段の夏とかすごいんだろうなあ。
そういう時に来ていたらこんなにいい気持ちにはならなかったかもしれない。
なんだかとっても嬉しい気持ちでいっぱいになって、ただただカツオドリの大群と海を眺める。
独特の鳥の糞の匂いがする。風が気持ちいい。
あとで調べたところ、カツオドリは一年中ここにいるわけではないそうです。
八月〜三月の間だけいるらしい。運が良かった……
夕日が沈んでいく。
雲が分厚くて途中から見えなくなってしまったけれど、鮮やかな光が町いっぱいに広がっていく。
いい夕方だな〜〜!
寒くなってきたので今日のキャンプ場へ。
ここ、すごいです。
私が今まで泊まったキャンプ場の中で一番です。
ものすっごく広いグラウンドに、
めちゃくちゃ綺麗な無制限シャワールームとトイレがたくさん。
キッチンも広くてピカピカ。
無制限で無料のWifi、そして敷地中にある飲料可能の水……
あとスタッフがフレンドリーで優しくて英語が聞き取りやすい。言ってること全部わかったよ!
そこら辺のバックパッカーよりも綺麗だ……
すごい、本当にすごい!
たった20ドル、1500円でこれはすごいです。
同じ時間の昨日のところなんてシャワーのお湯はぬるめ&鍵なしだし、キッチンも狭いし、WiFiは有料だし……
いや昨日は昨日でなんの不満もなかったんだけど、こんなにすごいキャンプ場を見てしまうと……
もう全員におすすめしたい、MURIWAI。
最高のハイキングコースにカツオドリコロニー+いい景色、そしてNo. 1キャンプ場。
ご飯を炊いて、今日の夕飯はツナリゾットです。
作ってる間に充電をさせてもらう。そして逃げ恥をAmazonプライムでダウンロードしまくる。幸せだ……
夜もWiFiが使えたので明日からの予定を立てたり、洗濯をしたり、充実した一夜を過ごしました。
ムリワイ、なんていいところなんだ……MURIWAI最高〜〜!!
最高のギャネットコロニー
最高のキャンプサイト