【北島一周】ワイカレモアナ湖二日目・一人にさせてくれ【53日目】
早く寝たからか5時くらいに目が覚めた。
まだ空は暗かったしみんな寝ていそうなので、しばらく寝袋でじっとする。
だけど起き出した韓国人グループが想像以上にドタバタうるさかったのでまあいっか〜と私も起きることにする。
明るくなってきた空を見ると、昨日と打って変わって晴れている。
これなら朝日が見えそうだけど、方向的に森があって厳しいかな?
階段のところまで行けば見れるかもしれないから、あとで行ってみよう。
お湯を沸かして、即席スープを作って飲む。
しばらくすると隣で寝ていた豪くんが起き出して、私のところにきた。彼はガスを持っているけどバーナーを忘れたらしく、昨日の夜から私のバーナーを貸してあげているのだ。今日の朝も必要だろうから貸してあげる。
昨日の夜、星が見たくて真夜中に起きたらしい。
でも曇っていて見えなかったって。夕日だけじゃなく星を見るためにも頑張っていたなんて、空が好きなんだなあ。
ニュージーランドで一番いい星空が見える場所を教えてくれた。
湖脇にあるキャンプ場で一泊した時の星空がすごかったんだって。
教えてくれたのはタウポ湖。もうすぐいく予定だよ〜と言ったらそのキャンプ場を教えてくれたけどTOP10だった……
TOP10っていうのは、どこにでもある高規格キャンプ場。キッチンもシャワーもラウンジもすごい綺麗なんだけど、値段が高くて私は使ったことがない。TOP10はファミリーとかお金持ちの旅行客が使うイメージだし、実際そうだし……
私が思う一番いい星空はノースランドだったなあ、って言ったけど、あんまり響かなかったみたい。
朝からたくさん話すことに疲れて、ちょっと散歩してくるね、とその場を去る。
豪くんはいい人なんだけど、ちょっとフレンドリーすぎる。
一人ののんびりした時間を与えてくれない……
自分と同じシングルの人を見つけて嬉しいのか、嬉しそうにどこにいても着いてくるのが私にはちょっとしんどい。
話の合ういい人だったら良かったのかもしれないけど、なんかちょっと違うんだよなあ。
やっぱり朝日がなかなか見えないので、少し先のポイントまで森を歩くことにする。
もう日の出は始まっているみたいで、森がオレンジだ!
とっても綺麗。日の出は見えなかったけど、森がきれいすぎて満足した。
ひとしきり散歩をしてハットに戻ろうとすると、豪くんがやってきた。
「どこ行ってたの?」と声をかけられたので、森がオレンジで綺麗だから散歩したらいいよってオススメしておいた。
ハットに戻るとアグネスとベンが起きていたので声をかける。
バーナーを忘れた豪くんはまだしも、このカップルはガスすら持ってきていないらしい……
豪くんのガス(と私のバーナー)を借りて朝ごはんを作っていた。
このカップル、ここから二日、大丈夫なのか……?
まあでも今日の夜も一緒のハットらしいからまた貸してあげればいっか。
豪くんが戻ってきたので、バーナーを返してもらって荷造り開始。
全員が起き出してハットがしっちゃかめっちゃかになる前に出発したいので、まだ誰も出発していない状況で一人優雅に出発〜〜〜のはずが、
「ちょっと待ってよ!!!」
とやっぱり豪くんが着いてきた。
あ〜……一人で歩かせてくれないかあ……
そこから結局約4時間、一緒に歩いてたくさん話しました……
山を降りると次のハットがあって、そこはすごく良かった。
湖の目の前で。
船で狩りにやって来た地元のおじちゃんがいて、ちょっと話して楽しかったな。
本当に綺麗な湖だったし、泳ぎたい。でも冷たすぎた……
そして湖を見つけるたびに豪くんのテンションが高い。
最高だ、なんていい日なんだ……ってずっと言ってる。
湖やわたしの写真をたくさん撮ってくる。怖い。
湖は本当にきれいだし、晴れていて嬉しいし、私も楽しいんだけど、どんどん苦しくなってくる。
のんびり歩かせてくれない。
歩いている間中たくさん質問してきて、少し話すと彼の話をたくさんしてくる。
そしてその話す内容があまり好きじゃない。
一人になりたい。しんどい。
一人で歩きたい。どんどんどんどん背中が痛くなってくる。
この日記を書いている今もなんか嫌な気持ちになってくる。
っていうか書きたくなさすぎて、この日から十日後くらいに今書いてる。
(今気づいたけど、五十日間ずっと毎日書いていた日記だったのに、それを諦めてしまうくらい嫌な気持ちだったんだね……)
それでもなんとか頑張って滝にたどり着きました。
豪くんがお腹すいた〜〜って言ってるから、じゃあお昼にしなよ! って言ってその場で別れました。
私はお昼ご飯いらないから、歩きたいから! って。
もしかしてバーナーが欲しくてついてくるのかしら、とバーナーも貸してあげた。(絶対そんな理由じゃない、わかる)
一人になった。急に景色がキラキラしているように見える。
はあ〜〜〜〜〜〜〜疲れた。
森は一人か、気の知れた友だちと二人で歩くくらいがいい。接待している気分で歩くのはしんどすぎる。
本当に、本当に疲れた!!!!!
でもやっと森と湖と一緒にいれる。それがうれしい。
森がきれい……
そこからは無心で頑張って歩いて、あっという間に次のハットにつきました。
ハットにはアグネスとベンがいた。
滝に行く道の入り口ですれ違ったとき以来。
早いね〜! ってびっくりされた。
友だち(豪くん)はどうしたの? って言われたので、滝で別れたよって言ったら微妙な顔をしていた。
中国語の名前は難しすぎて、私も彼らもどうしても豪くんの名前が思い出せない。なんだっけね……
汗だくだらだらなので湖で泳いでこようかな〜って迷っていたら、俺たちも行ったけど本当に冷たくて泳げなかった、でも一瞬入って上がってこい!! って言われたのでとりあえず挑戦。
足をつけるとすぐにその冷たさがわかって、早速諦めたい。
だけどベンが遠くから「GOGOGO!!!」って叫ぶので頑張って入った。
やばい。
水風呂よりずっと冷たいかも。
それでもなんとか潜って、泳いで、ついでに髪の毛も洗って。
本当に氷水みたいだったkら数分しかいられなかったけど、一気にさっぱりした。
身体を乾かしがてら日光浴しているとアグネスがやってきて、「髪の毛洗ったの!? クレイジーじゃん!!」って言われた。
やばいくらい冷たいけど気持ちよかったよ、って言ったらベンの押しに負けてアグネスも再チャレンジ。
さっきは足だけしか挑戦しなかったんだって。
叫びながら潜って、叫びながら帰って行った。元気だな……
しばらくすると豪くんもきた。思ってたよりずっと早い。
途中の湖が気持ち良くて三十分も昼寝しちゃったよ、って言ってたけど絶対嘘だ。
彼のスピードは私よりもずっと遅いもの。うーん。
貸しておいたバーナーはキッチンに置いておいたよ、と言われたので見にいくとバーナーを入れておいた袋に穴が空いてる。
熱いバーナーをそのまま入れちゃって焦げたんだな……これは相当急いで片付けをしたんだろうな……でも袋に穴を開けて何も言わないのはちょっとな……
うーん。
全員湖で泳いだからお前も泳げ! とベンに言われて豪くんも水着に着替えて泳ぎに行った。
私はお絵かきでもしようかな、と荷物を取りに寝台へ。
すると私のマットの隣に豪くんの荷物が置いてあった。
マットはたくさんあるのに!!! わざわざ私の隣をなんでとるの?????? 私は豪くんの一連の流れに本当にイラついてしまっています。
うーん。うーーーーーん。
これは多分相当気に入られたな。
困ったな。
そしていいところ見せようとして頑張っているのが見ていてなんとも言えない。
わたしの器小さすぎかもしれないけど、そもそも気にしすぎかもしれないけど!
みんなでキッチンに集まって早めの夜ご飯を食べたりしばらくおしゃべりしていたけど、途中で抜けてアグネスとベンの絵を描くために湖へいく。
事前に写真を撮らせてもらっていたので、それをもとに絵を描くんだ〜
ところがしばらくするとまた豪くんがやってきた。
もう〜〜〜〜〜〜〜!!!!
わざわざハットからは見えない岩をいくつも超えた場所に来たのに!!
「リトアニア流のトランプは難しすぎた、心配になって見にきたよ〜」って。
いや大丈夫だし!! みんなと遊んでてよ!!!
しばらく話して、じゃあ絵を描きたいから……って引き上げる。
「夜になる前に帰ってきてね、暗くなっても帰ってこなかったらまたくるからね」って、もう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
イライラしてしまいましたが、アグネスとベンの絵はとてもいい感じに出来上がりました。
キッチンに戻って二人に絵を見せて、それからしばらくまたおしゃべりして。
お互いの国のこととか、ニュージーランドのいいスポットの共有とか色々して、8時ごろに就寝しました。
豪くんの隣で。はあ。